【執筆中】2.しらすの夢【眠れない君に贈る愛言葉】

2.しらすの夢

僕の妻はライターだ。外出する事もあるが、ほとんど自宅で仕事をする。毎日が休日に見えて、毎日が仕事の日だ。

僕は会社員だ。昼間のほとんどは外出する。残業して、夜遅い日もある。けれど、休日はカレンダー通り。

僕らは週末になると、電車に乗って、少しだけ遠出する。行き先は、大抵の場合、僕が決める。

「次の週末、司くんはどこに行きたいですか?」

「ゴールデンウイークで混む前に、鎌倉に行きたいな。湘南、江ノ島、あの辺をぐるっと」

「いいね。私も行きたい」

調べてみると、最寄駅から鎌倉まで1時間程度だった。「案外近いね」と、結衣が言った。「そうだね」と、僕は言った。

 

 

 

 

 

 

 


私はしらすでした。親兄弟も一緒です。網にかかった私は、みんなといっしょに捕まりました。
水がありません。呼吸ができません。苦しいです。親兄弟の重さで、内臓が圧迫されます。痛くはありません。ただひたすらに苦しいのです。